九州縦断観光バスツアーにおけるワインと越乃寒梅の思い出

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20世紀終わり頃の夏、筆者は配偶者を伴い、鹿児島を出発して九州を縦断する観光バスツアーに参加しました。鹿児島から熊本、佐賀、福岡、長崎を往復する一泊二日の急行旅程で各地を回り、堪能しました。もっとも熊本と佐賀は現地観光はせず、通過しただけでしたが、風景は楽しめました。酒好きの筆者はサントリーワインとフランスワインは鹿児島で購入したものを持参し、清酒とウイスキーは現地で調達し、観光地の風景とともに満喫しました。

九州縦断観光バスツアーにおける酒(ビール以外)の思い出

今から20年ほど前の初夏、ふと思い立って配偶者と九州縦断観光バスツアーに参加しました。もちろん大好きな酒をたしなみました。鹿児島をスタートして、熊本、佐賀、福岡、長崎を回って、帰ってくる往復一泊二日の急行日程でした。筆者と配偶者は早朝に起床して食事もそこそこに、西鹿児島駅へ急いだのです。午前7時発の観光バスに乗るためです。7時10分前に駅前のバス乗り場へ到着すると、他の乗客は全員バスへ乗り込んでいました。
「おはようございます!」
二十歳位のバスガイドさんがにこやかな挨拶をしてきました。
「おはよう」
二人とも笑顔で返し、乗車しました。
バスの中は40人ほどが乗り込んでいて、ほぼ満車状態でした。「商業バスはこれでないと楽しくない」と思いました。子供時分からスカスカのバスは嫌いでした。それを言うと、「すいている方が座席に座れるから良いだろう? お前は座るのが嫌なのか?」と言われたものですが、そうではありません。もちろん立ちん坊は嫌です。自分が座れて、満車になるのが良いということです。

バスツアーにおけるサントリーワインの思い出・鹿児島出発

空き座席の多いバスは寂しく縁起が良くないと、子供心に直感していたのかも知れません。今でも所用でバスに乗った時、バスの中に数名しか乗客がいないと、良い気持ちはしません。これは生まれ持った性癖か嗜好だと自分に言い聞かせることにしています。
午前7時になった。乗降口のドアが閉まり、バスが動き出しました。
「本日は当社の観光バスをご利用頂きまして誠にありがとうございます。これより鹿児島から熊本、佐賀を・・・・・・」若いガイドさんが説明を始めました。
筆者は持参したサントリーのポートワインの封を開けました。本当はウイスキーを飲みたかったのですが、早朝からのウイスキーは人目に悪いと思い、ワインにしました。紙コップに半分ほど注ぎ、一気に飲み干しました。「やはり酒は最高だ」と思いました。この日のために一週間断酒していたのである。最高でない訳がない。次は満杯に注ぎ、飲み干しました。全く最高です。
「私にもちょうだい」配偶者が催促してきました。紙コップ一杯に注ぎ渡しました。

バスツアーにおけるフランスワインの思い出・大濠公園

午後3時、福岡の大濠公園に到着して、バスを降りました。
40人の乗客全員が黄色い小旗を片手に持ったガイドさんの後からついていきます。50代の運転手さんはバスの中で留守番です。客は20代のカップルから70代の老夫婦まで様々だ。グループ客もいるが、単独参加者も3人いる。客の構成が最高だ、と思いました。客層が偏らず、バラエティーに富んでいる方が私は安心できるのです。以前参加した観光旅行で、20代ばかりのグループに一人だけ中年男が参加する羽目になり気まずい思いをしたので、観光旅行を申し込んでも最終決定は客層を確認してから判断するようにしています。
水辺の広場に着き、ガイドさんが説明を始めた。私は芝生に腰を下ろし、高級フランスワインの封を開けた。「人目が悪いから、おやめなさい」妻に制止されたが、構わず、一気飲みしました。二杯目以降は一気飲みせず、ちびちびと舐めるだけにする。ワインといえど14度ある。飲み過ぎると世間様に醜態を見せることになると、これまでの数々の失敗で学んでいるのです。

バスツアーにおける清酒の思い出・長崎を出発し鹿児島へ

初日は平戸で一泊しました。
翌日、平戸市内を観光した一行は昼食後、バスに乗り込みました。
「これよりバスは鹿児島へ向かいますが・・・・・・」
器量良しの娘ガイドが帰路ルートの説明を始めました。
「旅の終わりの飲み納めだ」
バスの最後列に妻と並んで座った私は、新潟の銘酒・「越乃寒梅」の封を開けました。昨日の福岡観光中に購入した一升瓶です。
紙コップになみなみと注ぎ、一気に飲み干しました。
途端に背筋に軽い痺れが走り、後頭部へ抜けました。全身がほんわかとした熱気に包まれる。やはり日本の清酒はうまいと思った。アルコール度数は昨日のワインと変わらないはずだが、強く感じる。しかし、不快な強さではない。何とも言えない心地良い強さである。二杯目はあおらず、少しずつ飲みました。
「私にも頂戴」
越乃寒梅の味を知っている妻がおねだりしてきました。
「飲み過ぎるなよ」
紙コップ一杯に入れて差し出した。
「あなたこそ、酔っぱらわないでね」
「自分の酒量は知っている。心配無用」
妻は舐めるように飲んでいる。私は普段は「剣菱」か「大関」を愛飲しているが、こちらの方がはるかに味の質が高く、旨いと思いました。学生時代に新潟出身の友人に聞かされ、「越乃寒梅」の銘酒ぶりは知っていましたが、飲むのは初めてである。3杯、4杯と飲むほどに心地良い酔いに包まれました。

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